私たちの体が持っている機能が正常に働くためにあなたはどんなことを日常的にしていますか?
あるいはどんなことをしないようにしていますか?
私たちの体が正常に機能するためには、食事・休息・運動が必須です。
食べることは毎日繰り返されます。
毎日眠ります。
体を動かさない日はありません。
しかし、そのそれぞれについて私たちはどれほど自覚的に意図的でしょうか?
その時その時に食べたいと思うものを食べたいだけ食べ、なんとなく眠り、習慣的な体の使い方はますます自動化されて体への意識は希薄になっています。
ちょっとここで立ち止まって、これらについて少し考えてみませんか?
Contents
持っている機能が正常に働くために
私たちの体が働くためにはエネルギーが必要です。
私たちはそのエネルギーをほとんど外部から取り入れます。
エネルギーの元となるものを外部から取り入れることを私たちは食事と呼んでいます。
取り入れたものを私たちの体で利用可能な状態にしなくてはなりません。
そのために私たちは消化管というものを持っています。
口から始まり肛門に終わるこのひと続きの管は、私たちの体の内側に展開された外部です。
口・胃・小腸・大腸 これらのそれぞれの器官は役割を分担して生命の維持活動を支えています。
これらの器官には消化に関係する他の器官から消化に必要な物質が供給されます。
消化酵素と呼ばれるものです。
酵素はタンパク質によって作られています。
これらの器官の働きや酵素の働きは一定の環境下で最もよく働くようにできています。
身近なところでは、体温です。
日本人の体温(平熱)は、平均36.89℃とされており、1日のうちの体温変化は、ほぼ1℃以内におさまるのが普通です。
人の体温は、約37℃に保たれています。
体温を一定の範囲に保つために、人は相当のエネルギーを使っています。
外から取り入れたものを代謝することで、私たちは必要なものを取り入れたり、作り出したりしています。
「代謝」というのは、体内で起こる化学反応のことです。
食べ物からの栄養をエネルギーに変えて運動をするといった、生命維持にとって重要な活動も、代謝にあたります。
このとき使われなかった、残りのエネルギーは、熱となります。
人の場合、エネルギーの75%以上が熱に変換され、体温の維持に用いられています。
この代謝の前の段階が消化で、消化は多くのエネルギーを必要とします。
代謝は化学反応の一種ですから、一般的な化学反応の法則にあてはまります。
化学反応は一般に、温度が高いほど活発になります。
つまり、体温が高いほど代謝は活発になり、効率的に行われるはずです。
しかし体温は高いほどいいかというと、そうではありません。
細胞の温度が42℃を超えると、体内の酵素系の障害が起こり始めるので、これを超える高い温度は好ましくないのです。
つまり最適な体温は、できるだけ高いほうがいいのですが、一方では生命がおびやかされる42℃のレベルからは充分に離れていることが求められます。
約37℃という体温は、少々の発熱では42℃に届かないという条件で、充分に高い、つまり、ちょうどいい温度といえるようです。
体温の他にもpHペーハーもあります。
理科の授業でリトマス試験紙を使ったことを覚えている人も多いと思います。
pHは人体の各部で最適値が異なります。
殺菌が必要な部位では酸性になっています。
例えば胃はpH1〜3の強酸性です。
しかしそのほかの部位は弱アルカリ性であるところが多く、例えば血液&体液のpHは7.3~7.4です。
いずれにしても様々な器官が働きやすいように、環境を一定にする様々な機能が準備されています。
さてあなたの器官は働きやすい環境に置かれていますか?
体温は低くなり、体は酸性に傾いている
最近は体温が低く、体が酸性に傾いている人が増えているそうです。
体温が低いとどんなデメリットがあるでしょうか?
望ましい体温は概ね36.5℃〜37.0℃ですが、体温が1℃下がると消化酵素の働きは50%も下がり、免疫力も37%低下するそうです。
つまり、食べたものから必要なものを取り出すことの効率が悪くなり、入ってくる外敵を防御する力が弱まるということです。
これだけをとっても疲れやすく、体が弱くなることが想像できますね。
体液が酸性側に傾くと、頭痛・低血圧・疲労感・不眠などの症状が出てしまいます。
「なんだか身体の調子が悪いな…」と感じた時はありませんか?
こういうときは身体が酸性になっている場合が多いのです。
仕事にも集中しにくくなって、パフォーマンスが落ちてしまう人も少なくありません。
もちろん私たちの体はpHを一定に保つ働きがありますので、極端な酸性やアルカリ性にはなりません。
そもそも生命を維持できなくなってしまいます。
しかし、酸性に傾くような生活習慣を続けているとpHを一定に保とうと働いている器官に負担がかかることになります。
これは好ましい状態ではありません。
体温を低下させてしまう習慣と体を酸性に傾けてしまう習慣を少なくして、疲労の蓄積を防ぎましょう。
夏場の冷房の使いすぎ、冬に冷たいものをたくさん飲食する、加工食品をよく食べる、果物・野菜が少なく肉を食べることが多い、脂っこいものが好き、シャワーで済ませる日の方が多い、ほとんど歩かない。
これらの習慣は体温を低下させて、体を酸性に傾ける可能性があります。
どうでしょうか?
あなたは自分の体が働きやすい環境を作っていますか?
自動化された体の使い方と希薄になっていく体への意識
私たちが生活する環境は、どんどん便利になっています。
いつでもそうですが、何かを手にするときには何かを失っています。
自覚的に行われるのであれば準備は整えられていますが、変化する中に流されてしまっていると気がつかないうちに失っています。
環境との接点に体が関わることがとても少なくなってきています。
年を追うごとに、体の関わりは少なくなり、頭脳の関わりが増えています。
頭の中だけで完結してしまうことが確実に増えています。
そうすると、体の使い方は数少ない画一化した、しかもあまり意識的でない半ば自動化した動きが支配的になります。
自分の体への意識は徐々に希薄になっていってしまいます。
気づきは少なくなり、体が発しているサインにも気づきにくくなってしまします。
半ば自動化されてしまった動きだけで生活のほとんどの部分をまかなえるようになってしまうと、使われなくなった体の部分は弱くなります。
弱くなるだけではなくて、自分の体のその部分をあたかも忘れたかのようになってしまいます。
自分の体なのに、一体どうなっているのかわからなくなってしまうのです。
現在の環境の変化は加速度的にこの傾向を強めています。
環境に接点を持たなくなった体の有り様を想像できますか?
さて今日あなたはどのくらい体を意識的の使いましたか?
自然から生まれた私たちが人工的な環境を作り、その中に埋もれていく
私たちは自然の中に生まれました。
私たちにとって便利な生活をおくるために、人工的な環境を整備してきました。
私たちの体にとって好都合なデザインばかりではなかったようです。
私たちの体は自分たちがデザインした環境にまだ適応できていません。
進化は素晴らしいものの、決して万能ではありません。
何かの獲得のためには、何かを犠牲にしていることもあります。
人工的な環境に埋れていく中で私たちは何を手にして何を失ってしまっているのでしょうか?
選ぶことができる生活習慣も生活環境も多様になり、自分で選び取る意識を持っている人にとっては選択肢は今後も増えるでしょう。
反対に考えずに受け入れて流されてしまう人々にとっては、選択肢は画一化され少なくなっていくように思われます。
さて今日あなたは何を選択しましたか?
まとめ
思いがけず、大きなテーマになってしまいました。
現在私たちが持っている常識が、私たちの未来を素晴らしいものにしてくれるとは限りません。
現在を変えていくために、過去に学ぶ必要もあります。
習慣的に行ってきた何が今のあなたを作っているかを知ることは、とても大切です。
これからも習慣的に続けていくあなたにとって有益なことは何でしょうか?
反対に続けない方が賢明なこれまでの習慣は何でしょうか?
ちょっと立ち止まって見てみませんか?
自分で選び取ったことは、気づきを生むし、すぐに変えられます。
さあ、今日は何に気付くでしょうか?
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